(1)「人口抑制は人権に反する。国が他国に対し人口を抑制するよう求める権利はない」との対話
(2)「豊かさは人それぞれ。「皆が豊かになるべき」というのは共通の理想ではない」との対話
(3)「宗教的理由で人口抑制には反対」との対話
(4)「人口が減ると市場が縮小し、収益が減るので人口抑制には反対」との対話
(5)「人口が減ると国が滅びるので人口抑制には反対」との対話
(6)「人口多寡であれば宇宙に進出すればよい」との対話
(7)「人口抑制ではない手法で持続可能な世界を目指すべきでは?」との対話
(1)「人口抑制は人権に反する。国が他国に対し人口を抑制するよう求める権利はない」との対話
基本的には、子どもを何人作るかは個々の自由であり、その権利を尊重すべきだと考えます。したがって、人口抑制を実現するためには、間接的に影響を及ぼす政策の実行が重要です。例えば、人口抑制が必要な地域では、子どもを持たないか、より少なく持つ方にインセンティブを設けることが検討されるべきです。その一つとして、「逆子ども手当」という仕組みが挙げられます。これは、子どもの数に反比例して支給される給付金です。
また、国が他国に対し、人口抑制政策の実施を要求するのではなく、国連などの公正で中立的な機関が各国の人口抑制政策を取りまとめるべきだと私は考えています。
(2)「豊かさは人それぞれ。「皆が豊かになるべき」というのは共通の理想ではない」との対話
自然的な暮らしに豊かさがあることも理解できますし、必ずしも皆が物質的な豊かさを追求する必要もないと考えます。しかし、すべての人が少なくともある程度の余裕のある消費を享受できる社会が望ましいと思います。それは、エコな暮らしを望む人も、多少たくさん消費したい人も、自由に選択できる状況を作るべきだからです。持続可能な社会には、一定の物質的豊かさが必要であると考えます。
(3)「宗教的理由で人口抑制には反対」との対話
一方で、現実を考慮する必要があります。確かに、宗教的な信念によって人々が子どもを増やすことに意義を見出すこともあるかもしれませんが、養うことが困難な状況で無制限に子どもを増やすことは望ましいとは言い難いでしょう。その結果、食料や資源の奪い合いが増える可能性も考えられます。私たちは皆が豊かな社会を築くことを望んでおり、そのためには持続可能な人口調整が必要不可欠です。宗教的な信念を大切にしつつも、地球と人々の未来を考える上で、適切な人口抑制の実現が求められることを理解する必要があります。
(4)「人口が減ると市場が縮小し、収益が減るので人口抑制には反対」との対話
収益が減ることで、幸せが減るように感じるかもしれません。しかし、人口が多すぎて不幸になる人が多く生じると、皆が幸せではありません。皆が幸せであるためには、自分と他人の両方が幸せになるように努力する必要があるのです。人々が幸せであるためには、ある程度の収益が必要であることには同意しますが、収益を得る際には、皆が幸せになるように利己と利他のバランスが取られることを願います。
また、市場が縮小した場合でも、ベーシックインカムなどの給付金政策を導入すれば、一般的には収益の維持向上が可能だと考えています。なぜなら、総量として市場が縮小した分と同じかそれ以上、ベーシックインカムなどによる可処分所得の増加によって、消費額も総量としてほぼ等しいかそれ以上となり、したがって収益の維持向上を十分に期待できるからです。このことは、すべての消費に当てはまるわけではありませんが、総じてそうであると考えています。
(5)「人口が減ると国が滅びるので人口抑制には反対」との対話
確かに、過度の人口抑制はその国の維持を危うくすることもあるかもしれません。ただし、世界人口が多すぎると、その国も含めた多くの国の維持が逆に危うくなるはずです。ですから、国の維持に必要な人口動態を保ちながら、地球規模でうまく人口抑制に取り組む必要があると考えます。
(6)「人口多寡であれば宇宙に進出すればよい」との対話
いずれ地球や太陽が爆発する可能性を考慮すると、将来的には宇宙進出が必要となるかもしれません。この点から、人口多寡の問題は一定程度宇宙進出で解決していく方向に賛成します。ただし、その前提として、地球上の人々が豊かで幸せな生活を送ることが最優先であり、現在も続く紛争、貧困、飢餓といった問題を放置してまで宇宙進出を急ぐべきではないと考えます。地球上の諸問題に対処することが先決であり、人々がより持続可能で充実した生活を送ることができるよう取り組むべきです。
(7)「人口抑制ではない手法で持続可能な世界を目指すべきでは?」との対話
もしかしたら、世界人口が多寡だったとしても、人口抑制以外に持続可能な世界を達成する方法があるのかもしれません。けれども、残念ながら私にはそうした方法は思いつきません。おそらく多くの人口抑制論者も私と同意見でしょう。やはり、世界人口が多寡であれば、持続可能な世界・皆が豊かな世界は、持続可能な人口・適正人口によってこそ実現可能なのではないでしょうか?